忍者のブログ

海外旅行をした時に、これは何故?どうしてこうなの?と思うことがいろいろ有りました。面白い話や常識では解らない話など物語風に少しづつ書いて行きたいと思います。

■ 曲がりにくいの怪? ■

久し振りの『~怪?』ブログです。

 

  • 曲がりにくいの怪? ■

 

 

    車で街を走ると、イギリスでは日本と同じ左側通行で、なおかつ右ハンドルなので、日本人にとってはとても運転し易いのですが、困ったことがひとつ有ります。運転席のウインカーとワイパーのレバーが日本車と比べて左右逆に付いているのです。

   交差点を左折しようと思って、右手の指でウインカーのレバーを左折操作すると、いきなりフロントガラスの前でワイパーが動き出すのです。あっ逆だ! あわてて左手でウインカーのレバーを操作し直し!

   次の曲がり角でも自信を持って勢い良く右手の指でウインカーを操作すると、またワイパーがカチャ、カチャと勢い良く動き出してしまいます。

          A何だこりゃ! 

             何回やってもワイパーが動いちゃう!

                 B学習効果の無い人だね。

体で覚えた習性というものはなんと恐ろしいものだ、という事に気付いた私でした。

アメリカでは車は右側通行で運転席も左ハンドル。従ってウインカー、ワイパーのレバーも日本車とは左右逆。これは全て日本車と逆という事で良く理解出来るのですが、イギリス車は日本と同じ左側通行で右ハンドルのくせに、ウインカーレバーとワイパーレバーだけは日本車と左右逆に付いています。ということは、欧米の車は、右ハンドルの車であっても、左ハンドルの車でもウインカーレバーはハンドルの左側に、ワイパーレバーはハンドルの右側に付いている事になります。

                 B何なのそれ! 

                   レバーの左右の位置は日本の車だけがおかしいの?

                   それともイギリスの車がおかしいの?

         Aイギリス車はメーカーによって違うみたいだよ。

                  Bでは日本の車もメーカーによって違うのかい

         Aそんな事は聞いた事無いよ。

     Bイギリスの車だけがおかしいのかな?

      やっぱり解りにくいよイギリスさん。

 車に詳しい人に話を聞いたところ、ウインカーレバーとワイパーレバーの左右の位置は、ギヤーレバーの位置に関係があるとの事です。ギヤーチェンジ用のギヤーレバーは、マニュアル車もオートマチック車も国を問わず車の中央に付いていて、右ハンドル車はギヤーのシフトレバーを左手で操作するため、ワイパーより使用頻度の高いウインカーレバーは空いている右手で操作するようになっているとの事です。左ハンドル車の場合はギヤーのシフトレバーを右手で操作するために、ワイパーより使用頻度の高いウインカーレバーはハンドルの左側に付いているのだそうです。

   Aそう言われてみると、確かに理に叶っているね。

     Bじゃあ、さっき乗ったイギリスの右ハンドル車のように

左手でギヤーのシフトレバーを操作して、なおかつ左手でウインカーを

操作するようになっているのはおかしいんだ。

   Aおお、やっぱりイギリスの車はおかしい!

     B不良品だったんじゃないの?

   A不良品をレンタカーで貸すかい?

     Bイギリスではそんなこと気にしないんじゃない?

   Aイギリス人はおおらかでいいねぇ。

     Bおおらかと言うよりズボラなんじゃない?

 その後友人から聞いた話では、欧米の車はハンドル部分を軸から一体成型をしているので右ハンドル車であろうが、左ハンドル車であろうが、左がウインカー、右がウインドウオッシャーになっているという事でした。彼は何台もの欧州車に乗り慣れているのでよく知っていたのです。本来は左ハンドル車用に一体成型されたハンドル周りの軸を右ハンドル車にそのまま使用しているのでこんな混乱が起きてしまうのです。日本車は初めから右ハンドル車用の軸を一体成型にして作っていたので、右がウインカーになっているのです。

     Bやっぱりイギリス車はズボラなんだ。

左側通行っていうのが分かっているんだから

始めから日本車と同じに作ればいいのに。

   A国内での使用より輸出を優先して考えていたんだろうね。

    2019年のイギリスの自動車輸出比率は79.8%なんだって。

     Bそんなに輸出してるんだ。

      国内での使用が2割じゃしょうがないね。

   A欧州ではイギリスと陸続きのアイルランドの2国だけが

    左側通行なので、自分の国は二の次になってしまったんだね。

     B他国のために自分達が不便をしていて、

      イギリス人って偉いんだか何だか解らないね。

   A不便を感じているのはイギリス車を運転する日本人だけで、

    彼らは当たり前だと思っているから何も問題にしていないんじゃない?

 ちなみに、現在左側通行をしている国はイギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、インド、インドネシア、香港、タイ、マレーシア、シンガポールスリランカ南アフリカ共和国など、小さな国も含めると50ヵ国以上の国が有るようです。

     Bこんなに多くの国の人がおかしなハンドル周りの車を運転している

                    のかなぁ。まさに大英帝国の名残りだね。

 

 日本でもおかしな車が走っているという話を聞きました。

中央高速道の調布付近の直線コースを1台のセダンが時速100キロ位で品良く走っていると、追い越し車線を130キロ位の猛スピードで追い抜いて行く黒塗りのベンツを確認しました。追い越され際にセダンの運転席からそのベンツのリアウインドに目をやると、そこには高齢者が運転をしていることを示す枯葉マーク(?)がぺったんこ。

          「何っ!70過ぎた爺さんが何であんな運転しているんだ?

     どんな爺さんなんだ?追っかけろ~!」

 黒のベンツに乗るスピード狂の爺さんに興味を持ったセダン氏は、猛然とスピードを上げて枯葉マークのベンツを追いかけること数分。やっとのことで追い着いて、運転席を横目で見てビックリこ。運転していたのはスピード狂の爺さんどころか、40過ぎのでっぷりとした体格。何とツルツルのヘッドスキンに真っ黒なサングラスの恐そうな男!明らかにその筋のお二イさんって感じ。

                  B恐っ~!

寄って来られたらまずいと思ったセダン氏は思わずアクセルを踏む足を緩めてしまった。だが次の瞬間、その恐そうなお二イさんが、何と自分の会社の同僚部長である事に気が付いた。

     「えっ! あいつ、何やってんだ!」 

 次のサービスエリアに入った恐いオ二イさんベンツの後を追って自分の車を横に着け、そのお二イさんに「枯葉マーク付けて、何て運転してるんだよ。」「いやー、えらいところを見つかっちゃったな。実は親父の車を借りてちょっと河口湖まで行く途中なんだ。」

   Aよしなさいよ。

     枯葉マークの付いたベンツを運転するときは、

    それらしくもっと品良く走ってよ。

    ただでさえ恐そうな体型してるんだから。

サービスエリアを出た恐いお二イさんベンツは、行く手に立ちはだかる車の波をかき分けて遥か先を走り抜けて行ったそうな。

   Aそんな恐そうなお二イさんベンツに後ろから煽られたら、

              誰でも道を空けちゃうね。

     Bそのうちに本物の恐いお二イさんと

       追いつ追われつやったら面白いのにね。

                    しかも本物のお二イさんが免許取ったばかりだったりして。

A枯葉マークの黒ベンツと若葉マークの黒ベンツかい?

  そりゃぁ枯葉の黒ベンツが逃げ切って勝ちさ。

 

     B何で車の構造とは関係ない話になったの?

   A乗っている人間の構造のこと言っているんだよ。

     B人間の構造って?体形や人相のこと?

   A急いでいたとはいえ、枯葉マークの付いた車で

     猛スピードを出す人間の精神構造だよ。

     B????